逆行って悪いことが起こるんですか?

逆行は悪いことが起こるんですか?金星逆行の事例あり

占星術への誤解シリーズをお届けします。今回は逆行についてです。

現在のニュースから現象が分かりやすい金星逆行の事象を交えて解説します。

よくある逆行知識の誤解については「逆行=良くないことが起こる」というものです。

 

まず逆行に関わらず占星術全体の各知識の確認なのですが、どの象意についても「陰陽」が必ずあります。

太陽の意味にも陰陽の象意がありアスペクトにも星座にも必ず陰陽があります。

これは必ずです。なので意味を考えるときは逆行であっても、まず陰陽の両方を覚えていく必要があります。

ですので、逆行時にはこうなりますという明確な答えはありません。一人一人、出る事象が異なります。

陽の意味は何なのか?陰の意味は何なのか?と

どの知識であっても最低でも2つ以上は象意や問いへの答えを考える必要があるでしょう。

金星が吉星、木星が吉星なら必ず吉を意味する出来事が起こるとはなりません。

陰陽両方の意味を考えるとは、吉星であっても凶作用で働くことも考えるということと同じです。

逆行の陰陽の意味は?

天体逆行=「悪いことが起きる」ではないです。ただし作用自体は順行とは全く異なります。

順行が太陽の影響をめいいっぱい受けていくのなら、逆行は地球と影響しあいます。

太陽と地球の影響力では天体の力の発揮のしかたが異なるということです。

古典の占星術だと天体が逆行ということだけでマイナス点が付与されて換算するという考えかたもあります。

逆行がプラスか?というと、基本象意としては、やはり古典どおりであって少し疑問が残ると思います。

ただし、いつもマイナスではありませんので、例えば、人によって取り組んでいるものの状況などによって

逆行がプラスにとれる時もあります。

人それぞれ逆行時の現象は異なりますから、まずは逆行の基本象意を覚えましょう。

逆行は出来事が起きやすい?

天体が逆行に転換する際は出来事が起こりやすいです。

逆行だけではなく順行に戻る際にも出来事は起こりやすくなります。

順行と逆行に転じる際に進行していく度数の数値の刻みが狂いを見せます。

天文暦をもっている場合は度数の変わりかたを見てみるといいでしょう。

順行と逆行に転じる時は「留」(りゅう)ですが、その前後に度数の刻みが大きく変化します。

度数の乱れがあるその期間、つまりは留の1週間前後に出来事(現象)が起こりやすくなります。

どんな出来事が起こるのか?については逆行する天体の象意についての出来事が起こりやすいです。

逆行に起こることは悪い出来事?

逆行に起こる出来事は必ずしも悪い出来事とはなりません。

良い悪いというよりも順行と逆行では天体作用のしかたが違うのです。

逆行時には地球との影響を強く受けあうことでより現実的な象意が届きやすくなります。

むしろ逆行のほうが手に届きやすい範囲のものが

手に届きやすい形で出来事として現れるとも思っていいでしょう。

そう考えると、逆行のほうが順行よりもいとも簡単に現実化しやすいとも言えます。

ただしネイタルチャートで逆行天体がある場合は、逆行の影響を受けにくい影響もありますから

人によりけりです。

見直しとか戻るとか過去といったキーワードがまず逆行象意として分かりやすいかもしれません。

順行で解決に至らなかったことが逆行でごたごたが片付いていくというのも逆行の象意の特徴としてあります。

いくつか事象を挙げてみましょう。

事象例:金星♀逆行の場合

①2020年度:感染症によって順行時には自己表現やお金の問題に制限が出た人も多かったはずです。

また給付制度なども話が一転したり、順行時にはごたごたしていたお金の問題が

金星が逆行になったことで支給金額や支給方法が決まっていき給付が行われ

お金の問題が少し片付いていくというのが分かりやすく現実の流れになっています。

②2017年の4月初旬に結婚を発表した夫婦が現在の金星逆行時に不倫騒動のニュースとなっています。

(不倫というテーマというよりももっとテーマは深刻だと思いますが

不倫という報道で済まされているだけ日本は優しいかもしれないです)

金星というのは愛情問題や結婚の象意を司ります。

結婚を発表した2017年の4月初旬というのは金星が牡羊座から魚座を移動でまたがっているときで

順行に転じる前の留の前後1週間です。

騒動が起きている現在がふたご座で金星逆行です。

過去の金星逆行と現在の金星逆行が年数をまたがりつながっている事象です。

2017年の4月初旬は木星も天秤座で逆行していました。

さらに土星は射手座でした。余談ですが天秤座という星座は結婚そのものを象徴する星座で

良い印象があると思いますが天秤座というのは善悪や正義の均衡を意味します。

2017年の天秤座木星期間に結婚した場合の特徴として

何かしらの「いわく」が長い時間をかけてついてまわる結婚であるという特徴がでているのも顕著なのです。

もちろん全員がそうということではありませんが、当時は芸能人の結婚ラッシュが続き

その期間のニュースでも結婚に「いわく」がある、もしくは後から「いわくがでる」というのも特徴的です。

天秤座は表面にとらわれた美しさを重視するゆえの善悪の均衡の意味などもあるからです。

とくに2017年の4月の金星逆行の場合は星座が牡羊座から魚座へと移っていく時です。

気持ちの一気な盛り上がりから幸福感や安堵を感じやすい逆行の星座移動です。

(その時は安堵でも時間の経過で安堵でないことが判明する)

さらに相性図やネイタルのアスペクトの象意もそのまま出ています。

逆行によってごたごたがおさまる、ごたごたが解決するという現象も多い

逆行は見直し期間という象意だけではなく、順行時にごたごたしていたことや

もしくは長年解決に至らなかったことが解決したり

ごたごたが片付いておさまりをみせていくというのも逆行の特徴的な現象でもあります。

必ずしも出来事が悪いともなりませんが木星逆行が一緒に重なるのなら

順行時に「奢り」だとか「うぬぼれ」などが強調されてきたことも見直しになるでしょう。

発展性の制限も一緒に入りやすくなります。

逆行を陽の象意でとらえるのなら損失したことが別の形態で戻ったり(同じ形態とはなりません)

現実の範囲内で手が届きやすいものが届き天体がより現実的に実現に味方をする現実ともいえます。

逆行を良い象意でとらえるのなら現実化しやすいのです。

順行は手に届く範囲というよりも人の手を超えていたり人知を超えたものに成り得ます。

実現したから必ず幸福になるとか、その幸せがずっと続くというのは逆行象意とはまったく別のハナシです。

離婚を経験している人などはよく分かるはずです。

天体配置で異性に出会いやすい天体配置があったとしても

相性がいいか?とか自分に合うか?とかは別のハナシなのと同じことです。

もしも、ネイタルチャートの金星にハードアスペクトがかかっていると愛情問題への傷を象徴しますから

その傷やハードアスペクトを実現しやすい人がより現れやすいでしょう。

※ちなみに、ネイタルの金星にハードアスペクトを持っているほうが普通ですから落ち込まぬように。

逆行は悪いことが起きる?のまとめ

逆行は悪いことが起きるとはなりません。

順行時とは天体の作用のしかたが異なります。

逆行を良い象意でとらえるのなら現実の中で手に届きやすい範囲のものが

手に届きやすい形で現実になりやすいと考えるといいでしょう。

現実になり願いが叶ったから、それがずっと続く幸福だとか変わらない幸せになるとは限りません。

あくまでもネイタルチャートに記されているアスペクトの経過にすぎない場合のほうが多いでしょう。

あなたのネイタルと組まれたアスペクト(2重円図)を実現する人=その出来事はネイタルのアスペクトにも従っています。

逆行を上手に活かすのなら各天体の内省に最も向く期間となるでしょう。

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西洋占星術 基礎総合講座 全6回

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